高粘度流体の移送に困ったら
エイチツー製品をより安全にご使用いただくため、本資料を機器カタログと共にご活用ください。
※この資料は高粘度に関する一般的な実験値をまとめて記載したものであり、高粘度流体を移送する場合は必ず実機での評価をお願いします。
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世の中にたくさん存在する「ねばねば」「トロトロ」「ドロドロ」
この度合いを総称して粘度と呼びます。
要するにその流体の粘っこさを表す尺度。
粘度は大きく分けてニュートン体と非ニュートン体に分けられる。
流体移送で特に配慮が必要なのが非ニュートン体。
マーガリンを例に挙げると、
マーガリンはひっくり返してもこぼれません。
しかし、温めたり、触ったり、押したりするとサラサラ、ベトベトと粘度が変わり流れ出します。
焼きたてのトーストの上のマーガリンは、温度の変化により一見、個体から流体(液体)になるような感じに見えます。
こういった外部からかかる力を「ひずみ速度」と呼びます。
ほとんどの流体が厳密にいうと非ニュートン流体となるため、目に見えて粘度がある流体は注意が必要となる。
粘度、粘性の決め手としてもう一つ念頭に置いておきたいのが、『その物質が比較的分子が大きいか、小さいか、多いか少ないか』で、もちろんその物質(流体)が周囲の温度にいかに左右されやすいかも関わってきます。
温度によって物質を形成している(粘性の原因でもある)分子が高速に運動することによって分子で構成されていた壁が崩れて目に見えて流れ出します。
温度のみならず、振る、回転させる、などといった圧、つまりはひずみ速度によって、粘度が低くなる。
では、こう言った現象の中で高温=分子の移動速度が上がり、物質がゾル化すると全ての流体の粘度が下がるのでしょうか。
ガラス、鉄、氷、その他ニュートン流体、非ニュートン流体、確かに大体の物が温度の上昇によって粘度が下がります。
では、卵。
これ、温めると固まりますよね。
仕組みとしては卵の中に含まれる水分が抜けていき、たんぱく質が熱によって変形し結びついてしまうことで姿を変えてしまいます。
そう考えると、高温=粘度の低下と考えるのは少し安易だとされますね。
流体の移送に関して、単純に理解しておくことがあります。
移送したい箇所にむけて配管が細かったり、長かったりするとポンプの自吸力が追い付かない事があります。
例えば、あなたが
・ストローでお水を飲む
この時と全く同じ条件として、
・そのお水がマックシェイクだった場合の2つを想像してみてください。
さて、どちらが吸いにくいでしょう?
後者ではないでしょうか。
同じ条件下では、冷やされて分子の速度が落ち、さらに水に比べ不純物(スラリー)を含んだシェイクは確実に吸いにくい筈です。
では、どうしたらシェイクが吸いやすくなるでしょう。
1、温める⇒確かに高温になることで粘度が下がり吸いやすくなります。
しかし、シェイクの冷たさ、シャリシャリとした食感、舌ざわりなどと
いった真価は失われます。
2、ストローを太くする⇒太くすることによって狭いストロー内で渋滞していた分子たちは流れやすくなります。
ストローを太くすることで移送しやすくなりましたね。